洋楽ビギナーの方も、洋楽マニアの方も、シェルビーの部屋へようこそ!
今回は、日本にルーツを持つ海外アーティストがテーマです。意外にも、活躍されている方、けっこういるんですよ!洋楽好きだと知る機会はありますが、洋楽をあまり聞かない場合、馴染みがないことがほとんどかもしれません。
でも、日系のアーティストには、「日本でももっともっと話題に上げられてもいいんじゃないか!?」と思えてくる方がたくさんいます。ぜひ最後まで読んで、日本と縁のあるアーティストのことをたくさん知ってくださいね♪
Rina Sawayama
リナ・サワヤマ
主なアルバム:SAWAYAMA, Hold The Girl
代表曲:Hold The Girl, This Hell, Kiss Me, Lucid
新潟県出身のリナ・サワヤマ。ロンドンを拠点に活動している、シンガー・ソングライターです。2023年にジャパンツアーを行い、2024年にはちゃんみなとコラボした This Hell をリリースするなど、日本でも今話題のアーティストです。
力強さと透き通るようなクリアさを兼ね備えた歌声。キラキラ輝くようなポップなサウンドと、推進力のある軽快でリズム。メッセージ性のある歌詞。彼女の中から湧き出るもので作られた世界観は、聞く者にエネルギーと心地よさを与えてくれます。
エルトン・ジョン、チャーリー・XCX、レディー・ガガなど、世界的に有名なアーティストともコラボしています。今後も彼女の活躍に目が離せません!
▲ Hold The Girl. なんと解放感に溢れた曲・・・。なんか気持ちいい。
▲ Chosen Family. 息ぴったり!お二人の圧巻の歌唱力と表現にすごく感情を揺さぶられる一曲。
Steve Aoki
スティーヴ・アオキ
主なアルバム:Neon Future I, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ
代表曲:Just Hold On, What We Started, Boneless
次は、DJやプロデューサーとして活躍する、スティーヴ・アオキ。いくつものヒット曲を出しており、DJの中でも(というか米国では)人気かつ有名な、存在感のあるアーティストです。多数の有名人とのコラボがあります。
ジャンルはEDMやエレクトロ・ハウス。耳に残りやすいというのはもちろんのこと、壮大なサウンド、ゆったりとした心地のいいリズム、ホットで中毒性のある雰囲気といったように、さまざまな表現でノリノリにさせてくれるところもポイントです。
日本人の両親を持つ彼は、米国フロリダ州マイアミ出身、カリフォルニア育ち。彼自身は米国育ちで日本語を話しませんが、日本人としてのルーツには誇りを持っているとのことです。
▲ Turbulance. サムネがおもしろすぎ笑
▲ Just Hold On. 元ワン・ダイレクション(元でいいんだっけ?)メンバーであるルイとのコラボ。
Jhené Aiko
ジェネイ・アイコ
主なアルバム:Chilombo, Trip, Sail Out
代表曲:The Worst, Sativa, While We’re Young
主にR&Bシンガーとして活躍するジェネイ・アイコは、お母さんが日本人。お父さんはアフリカ系アメリカ人の方です。彼女自身はLA出身です。
パワフルさと儚さを持ち合わせたような彼女の歌い方に、心を奪われること間違いなし。伸びのある鮮やかな声もとてもきれいです。特に高音域のメロディーは、心地よくて癒されますよね。ポップで現代的な音楽によくマッチする彼女の歌声が、時には心を躍らせ、時には浄化させてくれます。
ジェネイ・アイコは、ディズニー映画『ラーヤと龍の王国』(2021年公開)の主題歌「リード・ザ・ウェイ」も歌っています。映画は見たことがなくても、歌は聞いたことがあるかもしれません。
▲ The Worst. 「最低」な彼に愛想を尽かしながら、やっぱりまだ忘れられない、系の歌。“I don’t need you…” のリズムが複雑で、混乱しているような不思議な感覚に陥る。
▲ Lead the Way. ディズニーらしい、希望にあふれてキラキラした歌。清々しい気持ちになりますね。
Conan Gray
コナン・グレイ
主なアルバム:Kid Krow, Superache, Found Heaven
代表曲:Heather, Maniac, Memories, People Watching
インターネット世代からの人気を誇る若きシンガーソングライター、コナン・グレイ。10代の頃にベッドルームで曲を書き、それをYouTubeに上げていたことから、シンガーソングライターとしてのキャリアをスタートさせました。
歌には彼自身が感じたことがそのまま表現されていて、苦しみや葛藤を感じるけれど、爽やかでスッと入ってくる聴きやすさが特徴。セラピーのように心を落ち着かせてくれる美しい声も、魅力的です。
彼は、米国カリフォルニア州サンディエゴ出身の日系人。日本とアメリカのハーフで、お母さんが広島県出身の日本人の方だそうです。彼自身も幼少期の数年間を広島県で過ごし、現在は広島県三次市の観光大使も務めています。
ちなみに、同じくZ世代に人気のシンガーソングライター、オリヴィア・ロドリゴとは大親友なんだそう。誕生日を祝ったりプライベートで遊んだり、お互いのSNSにもよく登場しているほどの仲です。
▲ Heather. 報われない恋心を歌った一曲。恋心も嫉妬心も純粋な感情、だからこそもどかしく切ない。
(ちなみにheather〈ヘザー〉とは、そういう名前の植物のこと。「素敵な存在、憧れの存在」の象徴として用いられることがあるそうです。)
▲ Maniac.「君は狂ってる。」ポップなメロディに優しい声。だけど怒りはすごく伝わってくる。クセになる歌です。
Mitski
ミツキ
主なアルバム:Be the Cowboy, The Land Is Inhospitable and So Are We
代表曲:My Love Mine All Mine, Nobody, Your Best American Girl
ニューヨークを拠点に活動する、シンガーソングライターのミツキ。アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんを持つ、日系アメリカ人です。生まれは三重県で、幼少期もそこで過ごしたそうです。
空間に響き渡るような透き通った声が彼女の特徴で、心が吸い込まれそうになります。一方で、力強さもしっかり感じ、説得力を持ったメッセージが直接心に届きます。
最近では、My Love Mine All Mine が大ヒット。ビルボードのHot 100 にも何週間もランクインしていました。生と愛について歌った、まさに詩のような歌詞が美しい歌です。
▲ My Love Mine All Mine. 神秘的なメロディーと歌声がとても合っていて、何度でも聴きたくなります。
▲ Nobody. ナチュラルな声の中に芯があるからこそ、アップテンポな曲もいい。
Hayley Kiyoko
ヘイリー・キヨコ
主なアルバム:Expectations, Panorama
代表曲:Girls Like Girls, Curious, What I Need
シンガーソングライター、女優、ダンサーと幅広く活躍するヘイリー・キヨコも、日系アメリカ人。日系カナダ人のお母さんと、アメリカ人のお父さんの間に生まれました。出身はロサンゼルスです。
彼女の表現を語る上で欠かせないものに、クィア*であること、また、2つのルーツを持っていることという、2つの主なアイデンティティがあります。自分自身と向き合い、そのアイデンティティへの理解を深め、あらゆる角度から自分らしさを表現しているところに、注目が集まっています。
*クィア・・・異性愛以外のあらゆるセクシュアリティの総称として使われる言葉。
ヘイリー・キヨコの歌の特徴は、軽快なメロディーと、ハッピーな気分にさせてくれる明るい歌声です。彼女の歌は幅広い層に好まれると思うので、ぜひ聴いてみてください!
▲ Girls Like Girls. 女の子同士の恋愛がテーマ。キャッチーで聴きやすい一方、MVの終盤の展開には驚きやもどかしさでこちらも感情が入り乱れ、ハッとさせられる部分も。
▲ Curious. ダンスもかっこいい!
▲ Hungry Heart. スティーヴ・アオキとも歌でコラボしています。ノリやすい軽快なEDMです♪
Joji
ジョージ
主なアルバム:Ballads 1
代表曲:Glimpse of Us, Slow Dancing in the Dark, Die for You
Glimpse of Us が大ヒットしていたジョージは、大阪府出身。お母さんが日本人で、お父さんがオーストラリアの方だそうです。出身は大阪府で、現在は米国を拠点に、シンガーソングライター、R&Bシンガー、ラッパーとして活躍しています。
元々はいわゆる迷惑系ユーチューバーだったそう。私はその頃のことは知らないのですが、彼の歌を知っていると、ぜんぜん印象が違うんだろうなと感じます。
ダウンテンポで落ち着いた雰囲気の彼の歌は、心の底からの叫びのような、苦しみが込められた暗さを感じるものが多いです。悲しげにつぶやくような低い声も、切なく美しい高音域の声も、ジョージの魅力です。
MVもちょっと過激というかグロテスクというか怖いというか・・・そういう世界観のものが多いので、ここでは大丈夫そうなものを選んで貼っておきます(笑)
▲ Glimpse of Us. オフィシャルビデオも公開されているけど、私は最初の数秒見ただけで怖くて、それ以降見れない笑
▲ Your Man. こちらは割とアップテンポ。
Mina Okabe
ミイナ・オカベ
主なアルバム:Better Days
代表曲:Flashback, Every Second
日本とデンマークのハーフである、ミイナ・オカベ。お母さんが日本人の方です。彼女自身はロンドン出身で、現在はデンマークのコペンハーゲンを拠点に、シンガーソングライターとして活動しています。
彼女の魅力の一つは、透明感のある歌声やシンプルな音楽が生み出す、ナチュラルな空気感です。声にもサウンドにも無駄なものがなく、おしゃれでリラックスさせてくれます。なんだか音楽と一緒に北欧の空気が流れているのを感じます・・・(行ったことないけど)。
日本でも、彼女の歌がドラマやアニメのテーマソングに使われているそうです。テレビで聴く機会も増えていきそうですね。また、最近は日本語でも曲をリリースしています。「英語だとハードルが高い」と感じる方は、ぜひ日本語バージョンから聞いてみてくださいね!
▲ Every Second. コーヒー飲みながら聴きたい。
▲ Flashback. こちらは日本語の歌です。ラッパーのDaichi Yamamotoさんは日本とジャマイカのハーフで、日本で活動しています。
おまけ1:Zach Bryan
ザック・ブライアン
主なアルバム:Zack Bryan, American Heartbreak
代表曲:Something In The Orange, I Remember Everything
カントリーのシンガーソングライターとしてブレイクしている、ザック・ブライアン。「ルーツを持っている」というのとは少し異なりますが、彼も日本と関係があります。実は、家族が海軍として駐留していた関係で、生まれは沖縄県。
育ったのは米国オクラホマ州なので、彼の作る音楽は、その生い立ちを反映するようにカントリーの要素で溢れています。素朴なサウンドにのせて率直に語られる言葉も魅力的。しみじみと黄昏れたい時におすすめのアーティストです。
▲ I Remember Everything. ケイシー・マスグレイヴスをフィーチャーしたこの曲は、ビルボードHot 100で初登場1位を獲得。
おまけ2:Aya Nakamura
アヤ・ナカムラ
主なアルバム:NAKAMURA
代表曲:Djadja, Copines, Pookie
アヤ・ナカムラは、フランスのシンガーです。出身はアフリカのマリで、幼少期に渡仏。日系人のような名前ですが、日本にルーツはありません。
本名はアヤ・ダニオコー(Aya Danioko)。Nakamuraは、米国のテレビドラマ “Heroes” の登場人物であるヒロ・ナカムラ(マシ・オカ)からとったそうです!血縁的な関係はないとはいえ、日本が好きだということなので、いつか日本にも来てくれないかな?なんて思ったり。
歌はフランス語で歌われていますが、世界で最も聴かれているフランス人歌手とも言われていて、楽曲も人気です。歌詞はフランス語、リズムはアフロ・ビーツ。ちょっと新鮮じゃないですか?ノリノリな気分になれる大人なダンスミュージック、ぜひ聞いてみてくださいね♪
▲ Djadja(ジャジャ).YouTube再生回数は9億回超え!
今後も日系アーティストに注目!
![](https://cdn.pixabay.com/photo/2020/10/18/13/47/tokyo-tower-5664846_1280.jpg)
今回は、日本にルーツを持つ洋楽アーティストをまとめました。いかがでしたか?世界で活躍している姿、本当にかっこいいですよね!
「日本」というルーツで共通しているアーティストの方々をまとめてご紹介しましたが、ジャンルも持ち味も多様でしたね。それと同時に、日本にもルーツを持っていることによって今れる誇りや葛藤も、それぞれのアーティストが音楽の中に落とし込んで表現していて、そこの共通点が見えたのは少し興味深かったです。
これからも日本にツールがあるアーティストに注目していきましょう!最後まで読んでくださり、ありがとうございました:)
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