【洋楽レポート】6月はBlack Music Month!注目のブラック・ミュージックを紹介

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米国には、ブラック・ミュージック・マンス(Black Music Month)と呼ばれる月があります。それは、6月。この機会に、米国で発展したブラック・ミュージックに親しんでみませんか?

今回の内容は、ブラック・ミュージック・マンスの簡単な説明と、ブラック・ミュージックに親しむのにおすすめしたい、今注目のアーティストの紹介です。紹介と言っても、私が知っている範囲でのおすすめアーティストなので、ぜひ多彩なブラック・ミュージックの一例として見ていただけたら幸いです

(一応のおことわり:ここで言うブラックとは、アフリカ系のことです。ここでは表現上可能な限り「黒人」とは訳さず、必要に応じて、「ブラック」とそのまま表現するか「アフリカ系」という言葉を使います。)

ブラック・ミュージック・マンスとは何か?

簡単に言うと、アフリカ系アメリカ人の音楽が米国の歴史において果たした役割を讃え祝おう!という期間です。当時のジミー・カーター米大統領によって1979年に定められました。

最近はAfrican American Music Appreciation Month(=「アフリカ系アメリカ人音楽鑑賞&感謝月間」的な意味)と呼ばれているそうです。アフリカ系アメリカ人の音楽の価値を讃え、鑑賞して理解を深め、その貢献に感謝しよう、という意味を凝縮させたのかもしれませんね。

ブラック・ミュージックとは何か?

ブラック・ミュージックアフリカン・アメリカン・ミュージックともいう)とは、アメリカで発展したアフリカ的要素を持つ音楽のことです。多くの人が思い浮かべるのは、ジャズやR&B、ヒップ・ホップなどでしょうか。これらのジャンルの音楽は、現代、特に好んで聴かれているブラック・ミュージックかもしれません。

ここからは、National Museum of African American History & Culture=国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館HPの記事(Celebrating Black Music Month)を参考にしながら、時系列に沿って、スーパー駆け足でブラック・ミュージックのジャンルを紹介していきます。

アメリカにおけるブラック・ミュージックの始まりは、教会音楽のスピリチュアル(=日本語では霊歌とも言われる)です。黒人教会で生まれたゴスペルは、後に世俗的な要素を取り入れながら、商業的にも人々の手に渡っていくようになりました。

1960年に米国で広まったブラック・フォーク・ミュージックは、社会的なメッセージを含むものでした。後にヒップホップに影響を与えることになります。

ブルースは、現代のアフリカン・ミュージックの基礎を形成したものと言われています。さまざまな地域で生まれ、地域ごとに特徴が異なる多様なジャンルです。

ジャズはニューオーリンズ発祥ですが、徐々にさまざまな形式で楽しまれるようになっていき、100年以上の間、多様性を増しながら発展してきました。今でもファンは多く、伝統的な音楽の中では現在も頻繁に聴かれる、大人気のジャンルだと思います。

R&B(リズム&ブルース)はジャズやブルース、ゴスペルにルーツを持つ多様なジャンル。現代活躍しているR&Bミュージシャンの中にも、こうしたジャンルの経験者が多くいます。何よりも重要なことに、R&Bは「アフリカ系アメリカ人の文化を広め、白人社会で人種統合の考え方を普及させるのに貢献した」と言われています。R&Bはソウルミュージックにも発展していきました。

ヒップホップは1970年代のニューヨークにルーツを持ちます。音楽的側面のことを言うと、ビートとリズムにラップを乗せて歌われるスタイル。DJやブレイクダンスなどの要素を持つことも特徴です。

R&Bやヒップホップは現代聴かれている主要な音楽ジャンルの一つ。今やヒップホップ界のトップにはアフリカ系以外のアーティストも多く含まれていますが、それは、人種や文化を越えてワールドワイドに親しまれる音楽の一つになったことを象徴しているように思います。

さて、アメリカの歴史の中でアフリカ系アメリカ人の社会を反映するようにして発展してきたブラック・ミュージックですが、昔のように強いメッセージを持って歌われることは、今でも珍しくありません。音楽的には広く普及し愛されるようになったかもしれませんが、アフリカ系の人々にとって厳しい現実は、今の社会にも多く存在しています。

特にヒップホップには社会的メッセージが表現されていることが多いので、ラップを理解しながら聴くのは簡単なことではありませんが、興味を持ったらぜひ意味を調べながらじっくり聞いてみてください。

どのジャンルでもそうですが、その曲が持つメッセージや歴史を知っていくことで、アフリカ系アメリカ人やアフリカにルーツを持つ文化への理解を本当の意味で少しずつ深めていけるのかなと思います。保守的な思想が強まりつつある現代世界を見ると、今こそブラック・ミュージックに親しむ時だと思えてきますね。

(一応のお断り:「アメリカ」と「米国」は意識的に区別して使いました。)

注目のブラック・ミュージシャン

語っていたら、ブラック・ミュージックが聞きたくなってきました!

それでは、私がおすすめする注目のブラック・ミュージックのアーティストをご紹介してまいります。

Tems

テムズ

代表曲:Me & U, Free Mind
主なアルバム:For Broken Ears, If Orange Was a Place

テムズはナイジェリアのシンガー・ソングライターですが、米国でも注目されているアーティストです。ジャンルはR&B/ソウル、アフロポップ、アフロビーツ。

米国では既に数々の賞を受賞(グラミー賞、ソウル・トレイン・ミュージック・アワード、アメリカン・ミュージック・アワードなど)。米国アーティストとも仕事をし、米国で存在感を増し続けています。

ラッパーであるフューチャーの”WAIT FOR U”(2022年)では、ドレイクと共にフィーチャーされています。さらにプロデューサーとしても活躍しており、リアーナの”Lift Me Up”(2022年)の制作にも参加していました。

Me & U. 濃厚な歌声と、軽快なクラップの融合。

Essense. 同じくナイジェリア出身のWizkidとのコラボ。聞いたことがある人も多いかもしれません。

Samara Joy

サマラ・ジョイ

代表曲:Guess Who I Saw Today, Can’t Get Out of This Mood
主なアルバム:Linger Awhile

ジャズ歌手のサマラ・ジョイ。1999年生まれの若者ですが、キュートな見た目からは想像がつかないほど、貫禄のある豊かな歌声を持っています。しかも彼女が歌うのは正統派ジャズ!一方で、奥が深いジャズの世界において革新を起こしている天才でもあります。

まず、名前が広く知られているジャズシンガーはあまり多くないと思いますが、彼女はまだ二十歳を超えたばかりの頃に、圧倒的な歌唱力と表現力で早くも名の知れた存在になりました。そして、2023年と2024年にはグラミー賞を受賞(最優秀新人賞を含む)。瞬く間に一流アーティストの一人として認められるまでになりました。

Z世代らしくSNSを通じてファンを増やしていることも特徴です。ジャズにあまり親しんだことのない人にも、その魅力を存分に伝えているサマラ・ジョイ。これでも彼女の活躍はまだまだ序の口でしょう。私たちは今後も彼女に驚かされ、そして魅了され続けることになりそうです。

Guess Who I Saw Today. 深みのある豊かな歌声にうっとり・・・。目を閉じて、浸るように、味わうように、聴いていたい。

▲ 東京でのライブ映像!7分以上の動画です。

Brooklyn Queen

ブルックリン・クイーン

代表曲:EMOJI, KeKe Taught Me, Twerk It
主なアルバム:Queens Corner

2005年生まれの若きラッパーです。小学生の頃からYouTubeなどで活動していたそうですが、動画を見ても、早くも表現者としてできあがっていたことがわかります。既に、自分のスタイルを持っていて、自分のやり方で表現するのが上手い。

そしてそのスタイルはブレることなく、現在まで貫かれています。TiK ToKやYouTubeでは既に有名人。ラップやダンスを通じて、これからもっと活躍の場を広げていきそうなアーティストです。

“EMOJI”や”KeKe Taught Me”に関連する動画は、YouTubeの再生回数がそれぞれ5000万回以上。リリース当時小学生だったシンガーのMVやダンスビデオとしては、驚異的な数字です。

EMOJI. 再生回数は6700万回超え。

Twerk It. こちらはダンスビデオ。

SWV

代表曲:Right Here, Weak
主なアルバム:It’s About Time

90年代を代表する、女性3人のR&Bグループです。メンバーはココ、タージ、リリー。グループ名のSWVは “Sisters With Voices” の頭文字をとったものだそうです。

一度は解散したものの再始動。現在も3人で活動を続けています。懐かしいサウンドのR&Bで癒されたいときは、SWVがおすすめです。ステキなハーモニーにうっとりしちゃいますね・・・。

Right Here. 生で聴いて堪能したい。

▲ 米国のテレビ番組でのパフォーマンス。I’m So Into YouRight Here のメドレーです。

Chaka Khan

シャカ・カーン

代表曲:Through the Fire, Ain’t Nobody
収録アルバム:Chaka, Chaka Kahn, I Feel For You

“Queen of Funk(ファンクの女王)”と呼ばれているシャカ・カーン。ファンクやR&B/ソウルのシンガーです。

現在70歳を超えた彼女ですが、近年もLike SugarWhen The Time Comes など、新曲をリリース。何十年経っても変わらない圧倒的な歌声にもハートを掴まれます。まさにレジェンド!

ところで、私は彼女の名前をシャカ・カーンと書いていますが、日本ではチャカ・カーンで通っているようです。でもChakaはアフリカの言葉(「」などの意味)らしいので、チャに近いのかシャに近いのか判断できません。それにしても、情熱的な歌唱力と表現力を持つ彼女にピッタリな名前です。

▲ Ain’t Nobody. 一度聴いたら忘れられないリズム。

Like Sugar. 英国のテレビ番組でパフォーマンスしたときのもの。

まとめ:ブラック・ミュージックに今後も注目!

以上、ブラック・ミュージック・マンスの説明と、ブラック・ミュージックを知るのにおすすめのアーティストの紹介でした。いかがでしたか?

なんだか、もっといろんなブラック・ミュージックに親しんでみたくなりましたね。この、ハートにガツン!とくる歌声とメッセージ。圧倒される心地よさに、ずっと浸っていたいです。個人的には、クラシカルなものにもっともっと触れてみたい。

というわけで、ブラック・ミュージック・マンス、私たちも積極的に楽しみましょう♪

最後まで読んでくださり、ありがとうございました:)

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