洋楽ビギナーの方、洋楽マニアの方、そしてDirectionerの方、この度はただ思い出を共有したいだけの記事を見にきてくださり、ありがとうございます。
日本時間の2024年10月17日朝、リアムが亡くなったというニュースが飛び込んできて驚きました・・・。何日経っても、信じられません。そんな中で、1Dを聴いていた頃の思い出がよみがえり、どうしても当時のことを語りたくなったので、ほとんど個人的な内容にはなりますが、この投稿を作成することにしました。
今回はまず初めに、私にとっての1Dの思い出を語らせていただきます。もちろん読み飛ばしていただいて構いませんし、読んでくださる方は、ご一緒に1Dの思い出に浸っていただけたらと思います。そしてその後、いくつかのお気に入りの曲を取り上げて、私の視点で一曲一曲を改めて振り返らせていただきます。
また、ここで私が敢えてすることではないので、生前リアムが抱えていた想いや事件に関して報道されていることについては言及しません。活動休止から10年近く経った今の視点で、1Dが残してくれたものについてのみ語ります。
One Directionの思い出
1Dが世界規模で有名になった頃、私は高校生で、ちょうどその頃に初めて1Dの曲を聴き、それらがすぐに私の高校生活に欠かせないものになりました。理不尽な厳しさが特徴的な部活に所属し、そこで学年リーダーや部長を務めていた私にとって、高校時代といえば「辛い思いをした時期」です。
そんな青春らしい青春をまったく経験しなかった私の日々に彩りを添えてくれたのが、1Dでした。洋楽というジャンルはそれまでも好きで、いろいろなアーティストの曲を聴いていました。だけど、こんなに一曲一曲にハマって、たくさんの曲を聴いてきたのは、未だに1Dだけです。
登下校中に、テスト期間の土日や放課後の勉強中に、何度も何度も聴きました。だからどの曲を聴いても、高校時代に見ていた景色や学校の様子が鮮明に思い出されます。洋楽を聴くような人は周りにいませんでしたが、いろいろな友だちに一方的に1Dのことをよく語っていました。
当時、リアムの印象は正直そんなに強くありませんでした。他の4人の歌声にはそれぞれ特徴を感じていたので、リアムの声に注目することがあまりなく・・・。最近投稿した記事でちょうど1Dを取り上げましたが、その時に、リアムの声が核となりそこに4人の声が集まって、一つの音や曲になっているのを感じ、今までにないほどリアムの魅力をはっきりと認識していたんです。
リアムは特徴がないと思っていたけれど、そうじゃない。正確かつ明瞭で、自然に心に入ってきて、安心感と安定感がある、聴きやすい歌声だったんだと気づきました。どんな曲調の歌にも、その曲の雰囲気に合う歌い方をするから、いつもリアムの声は自然な感じがしていたんですよね。
テクニックも表現力も姿勢も、歌手として本当に魅力的。もっと早く気づいて注目していたかったと思っていたんです。まさか直後にこのようなことが起こるなんて。
でもリアムの訃報に接して思い出したのは、高校生の頃の私も、リアムが1Dにとって欠かせない存在だと、はっきりわかっていたということです。1Dの中では、落ち着きがあって誠実なお兄ちゃん的存在だと勝手に思っていました。音楽面でもグループとしても、リアムが1Dを支える存在だったんだなと感じます。
そのリアムが、旅立ってしまった。心にぽっかりと大きな穴が空いています。
せめて、彼に感謝の気持ちを述べ、今後も1Dの曲を大切に聴いていきたい。それが、今考えられる精一杯のことです。だからここ数日の間は、繰り返し1Dの歌を聴き、一曲一曲の魅力に改めて触れている毎日です。
心に残っているOne Directionの曲
私にできることは、リアムに向けて感謝の気持ちを述べること。そして自分にとって大切な1Dの歌を、これからも胸の中にしまって大事に大事に聴いていくこと。そう感じて、今回の投稿を作成しました。
取り上げたい曲を挙げるとキリがないので、私が特に好きな曲を並べていきます。
悲しい現実を受け止めなければならない中でも、この投稿によって1Dを大切に思っている方々と通じ合い、少しでもお互いの慰めになればと思っています。
Live While We’re Young
『リヴ・ワイル・ウィアー・ヤング』
リリース:2012年 収録アルバム:Take Me Home
高校時代のある日、クラスの友だちに「ワン・ダなんとかって知ってる?朝テレビでやってたよ」と言われたので「ううん」と返すと、「絶対好きだと思うよ!」と言ってくれて。その場で一緒に聴いたのが、当時リリースされたばかりだったこの曲。
イントロを聴いた時点でもうビビッときていました。一番初めに聴いた曲。一番初めに大好きになった曲。そしてその曲の歌い出しはリアム。一番初めに聴いた声なんですよね。もちろん、その瞬間もはっきりと記憶にあります。
この曲を聴いていれば、実際に楽しいことなんて何もなくたって、楽しいし気分が上がっていました。1Dの中で一番たくさん聴いた歌であり、当時から今まで変わらず一番好きな歌。これからも変わることはないと思います。
What Makes You Beautiful
『ワット・メイクス・ユー・ビューティフル』
リリース:2011年 収録アルバム:Up All Night
1Dにビビッときたら、次に聴いたのは当然、デビュー曲『ワット・メイクス・ユー・ビューティフル』でした。この曲も、リアムパートから始まる。ということは、デビュー曲で1Dを知った人も、最初に聴いたのはリアムの声、ということになるんですよね。
MVでは、リアムは特に、他のメンバーに気を配っているように見えます。一体感を意識していたのかもしれないけれど、それ以上に5人で歌うのを楽しんでいるのが伝わってきますよね。そしてまだみんな、どこかあどけない。歌詞も、いかにも青春真っ最中の男の子という感じです。
でも曲の雰囲気は子どもっぽくなく、勢いだけに任せた感じも、ガチャガチャした感じもないのが、さすがだと思います。5人の実力をしっかり前面に出しながらも、シンプルかつ爽やかな音楽で、きれいにまとまっています。歌が終わった後の余韻の残し方も完璧・・・。
One Thing
『ワン・シング』
リリース:2011年 収録アルバム:Up All Night
アルバム “Up All Night” のリリース時はまだ1Dのことは知りませんでしたが、このアルバムの中で特に好きな歌の一つが “One Thing” です。
どこか懐かしさを感じさせるのは、童謡のようなシンプルさゆえなのか。落ち着きと奥深さもあって、ずっと心地よく聴いていられます。デビューしたての、それもまだ若い5人が歌ったものだと思うと、非常に完成度が高いですよね(このクラスのアーティストなので当然とも言えますが)。
アルバム全体を通して、若さ全開のフレッシュな歌と、こういう安定感のある歌の両方が両方とも味わえるところが、最大の特徴だと思います。この頃のグループの魅力が余すところなく詰め込まれていますよね。
Story of My Life
『ストーリー・オヴ・マイ・ライフ』
リリース:2013年 収録アルバム:Midnight Memories
恋人との関係に終わりが見えている中、最後の最後まで彼女を思い続ける、切ない歌。どこまでも広がる悲しみを表現したような音楽が、その切なさを何百倍にも大きくします。
歌詞の内容が心に響く歌ですが、もしかしたらそれ以上に、この歌はMVが印象的です。MVには、メンバーそれぞれの、家族と映った幼少期の写真が出てきます。そしてその写真は、リリース当時のメンバーと家族の姿へと変わります。もうこれから涙なしに見ることはできない・・・。
リアムの写真は、彼を囲むようにして撮られた家族との一枚。ご家族の悲しみを思うとたまりません。ルイの写真からおじいちゃん・おばあちゃんがいなくなるのを見て、「家族ってこうして変わっていくんだよな」と思わされたMV。だからこそ、リアム亡き今、このMVを見ると胸が締め付けられる思いがします。
Through The Dark
『スルー・ザ・ダーク』
リリース:2013年 収録アルバム:Midnight Memories
ちょっとマイナーですが、とても好きな曲です。背中も押してくれるし、奮い立たせてくれるし、苦しくてどうにもならない時は「僕がそばにいてあげる」とも言ってくれる。
1D全盛期の頃、ちょうど私は高校生活で辛い時期を過ごしていました。当時は本当に、暗闇の中を生きているような感じがしていたんです。大きな心の支えだった1Dのアルバムに入っていたこの歌は、聴いてすぐに、私の心を救い出してくれるような感覚を覚え、今の自分に必要な曲だと感じました。
本当に辛いときって、ただ元気づけられると逆に傷ついてしまうこともありますよね。でもこの曲は、一つひとつの歌詞が本当に自分のためのメッセージのように感じられて、「乗り越えるぞ」と何度も思わせてくれました。
Night Changes
『ナイト・チェンジズ』
リリース:2014年 収録アルバム:Four
5人のコーラスがきれいで、心が浄化されていくような歌。何度聴いてもしみじみします。こういう音楽的な魅力をしっかり持っているグループだから、世界でここまで愛されてきたんだなと思います。1Dの音楽って、心にいつまでも残っている曲が何曲もあるんですよね。
歌詞もとてもステキです。大切な彼女と過ごす時間もあっという間に過ぎて、ときの流れの速さや儚さを実感しているけれど、いくつの夜を過ごしても僕たちが変わることはない。そんな、一つひとつの出来事を大切に過ごしていきたい気持ちが歌われた曲です。
MVは、デートでかっこいい姿を見せる5人が、徐々にしくじっていくというもの。珍しくそれぞれのシチュエーションで一人ずつ映る構成です。ずっと彼女の視点にカメラがあるから、全員がしっかり映っているところもいい。この曲を最後に脱退するゼインも、元気なリアムも、みんないい顔をしています。
Ready to Run
『レディ・トゥ・ラン』
リリース:2014年 収録アルバム:Four
この頃からだんだん私の中の1D一強時代が終わってきて、他のアーティストの曲もいろいろ聴いていたので、アルバム “Four” に収録されている歌からは、それまでと比べて聴く回数が減りました。
そうしているうちにゼインがグループを脱け、あまり時間が経たないうちに4人でのグループ活動も休止になり。1Dを聴く時間が減るにつれてグループの活動が終わっていってしまったように感じ、「1Dに関心がなくなったわけじゃなかったのに」と寂しくなりました。
今聴いても、好きな曲はたくさん。あの頃にもっと聴いていたかったなと思います。特にこの “Ready to Run”。駆け抜ける感じとか、心の底にある何かを湧き上がらせてくれる感じが、悲しみに暮れる今の私にも元気をくれます。
History
『ヒストリー』
リリース:2015年 収録アルバム:Made In The A.M.
華々しいわけでも、しんみりさせすぎるわけでもなく、優しく、確実に心に響いて残る、活動休止前最後のシングル。歌詞では、決して「終わり」を歌っているのではなく、たくさんの思い出の上にまたこれからも思い出を作っていこうと伝えてくれています。
シンプルな伴奏のおかげで、自分と1Dメンバーがまるでそれまでの日々を振り返り、会話をしているかのように感じさせてくれるところがステキです。また、グループ自身のことを歌っているようにもとれる歌詞で、一区切りつけるタイミングでの最高の曲だと思います。
1Dはあまりにも大きくて遠い存在なので、歌は何度も聴いているのに、ずっと「この人たちって実在してるの?」という不思議な感じがしていました。でもこの歌とMVが、1Dは確かに存在して、私に多くのものを与えてくれたのは紛れもない事実だということに気づかせてくれます。
The X Factorのオーディションの映像から始まり、短くも濃い5年間の歩みを振り返るMV。1Dという偉大なグループと、自分も一緒に過ごしてきたような気分にさせてくれます。
1Dの姿と歌はいつまでも心の中に
1Dはアイドル的人気で一世を風靡した側面はあると思うけど、やっぱり、それぞれが個性を活かした歌唱力を持っていて、ソングライティングにも関わって、メンバーたちの音楽的な才能は評価されて然るべきものだったと改めて思います。
私が1Dを好きなのは、ただかっこいいから、とかじゃない。むしろそれに頼ってないところ。ダンスもいらない、派手な衣装もいらない、一切かっこつける必要がない。歌がうまい等身大のままの5人が、それぞれの力を持ち寄って音楽を作っていく、多様な実力者たちのグループ。それが1Dだったと私は思っています。
振り返ってみると、1Dが活動していた期間ってたったの数年なんですよね。とてつもなく大きなものを私たちに残してくれたので、その短さに驚かされます。実際にグループとしての活躍を見ていられた当時は本当に幸せだったのだなと、つくづく感じます。
ソロで活躍するようになってからの5人もずっと素晴らしいミュージシャンだし、それぞれの作品も好きです。
でもやっぱり、辛いときの私を支えてくれた1Dは特別。いつ聴いても当時の楽しい気持ちを思い出させてくれるし、時間が経ってから聴くとまた新しい魅力を発見できる。その度に1Dの偉大さを再認識します。ありがとう、One Direction。
最後に。Fly high and rest in peace, Liam Payne.
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