洋楽ビギナーの方も、洋楽マニアの方も、シェルビーの部屋へようこそ!今回は、ミニマリストにもそうでない人にもぜひ聴いてほしい、ミニマルでオシャレな洋楽を集めてみました♪
集まったのは、一つひとつの音にこだわり、その素材の美しさを活かしながら曲を作り上げているアーティストたちと、その作品。一音一音を大切に磨き上げて使っているから、音楽が隅々まで洗練されているのが感じられます。
最低限のもので、どんなに深い感情も表現するのが、今回挙げたミニマルな音楽です。音楽、そして表現の無限の可能性を、ぜひ肌で感じてください。
Happy | Pharrell Williams
『ハッピー』ファレル・ウィリアムス
リリース:2013年
収録アルバム:G I R L
シンプルな音楽は、タイトルもシンプル。ハッピーなんてありふれた言葉ですが、ミニマルな音楽という視点から聴いてみると、この曲の「ハッピー」とうい感情に対する挑戦が見えてきます。
注目すべきは、こんなに少ない音の数でも、高揚感やゴージャスな感じをしっかり演出できているところ。音楽を盛り上げるのは音の数ではなく、ビートやリズム、メロディなのだと思い知らされますね。
ミニマル音楽の可能性を感じさせる一曲です。
That’s What I Like | Bruno Mars
『ザッツ・ワット・アイ・ライク』ブルーノ・マーズ
リリース:2017年
収録アルバム:24K Magic
シンプルなバックミュージックと、メリハリをつけて魅せどころたっぷりに熱唱するブルーノ・マーズ。シンプルな背景と、一切の妥協なくただ一人完璧なダンスを踊るブルーノ・マーズ。しっかり曲とMVが一致しています。
ブルーノ・マーズは声や歌い方が華やか。この歌ではブリッジ(ラストのサビ前)から終盤にかけて、しっかり歌声で魅せてくる部分があります。自分の声だけでここまで盛り上げるところ、さすがとしか言いようがありません。
ミニマル音楽は、究極のエンターテイナーだからこそ歌いこなせる。ここまでの逸材でなければ、ミニマルな音楽を奏でることは難しいことを証明している一曲ですね。
Talk | Khalid
『トーク』カリード
リリース:2019年
収録アルバム:Free Spirit
この曲のおもしろいところは、音楽なのに静止しているかのように感じられるところ。時間が操られ、時が止まっているような感覚に陥ります。楽器が少ないのはもちろんですが、この曲は音がそもそも少なく、休符で作られた音楽にさえ聞こえます。
この曲は、彼女との関係に疑問を持っている男性の歌。歌詞に注目すると、未来が見えているのかいないのか、よくわからなくなってきます。期待しつつ、心配でもあって、まさに先のわからない今。どうするべきなのだろうという迷いが垣間見えます。
時が止まったような音楽は、まるで沈黙が続いているような二人の関係や、このまま進んではいけないという思いを表しているように聞こえてきますよね。「立ち止まってしっかり話さなきゃ」という思いに加えて、気まずさや緊張感まで感じられます。
EARFQUAKE | Tyler, The Creator
『アースクエイク』タイラー・ザ・クリエイター
▲ 動画の1:19から曲が始まります。
リリース:2019年
収録アルバム:Igor
おしゃれ番長の登場です。Earfquake という言葉はこの曲名でしか使われておらず、ちょっとした言葉遊び的なもののようです。「アーフクエイク」と読むのかと思いきや、曲の中では earth quake と言っているので、「ス」にしておきました。
歌の中では、“you make my earth quake”(直訳「君は僕の地面を震わせる」)と、「君」が去るのを引き止めたい気持ちが、地震に例えて表現されています。この言い回しもユニークで印象的ですよね。
シンプルな音楽と歌詞だけで無限の深みを感じさせるこの曲は、音楽面でもビジュアル面でも、彼の魅力がダダ漏れです。どの曲も洗練されていておしゃれなタイラー。クリエイターと名乗るだけあって、作品の一つひとつが残す印象も強烈です。
Bad Liar | Selena Gomez
『バッド・ライアー』セレーナ・ゴメス
リリース:2017年
ベース、ドラム、手拍子、バックコーラス、ときどきグロッケンという構成。ビートは4分音符や8分音符で刻んでいるだけ。ベースは同じ音の連続。セレーナ・ゴメスの歌も、ずっと調子が変わらず捉えどころのない感じがします。
曲全体は独特な印象を受けるのに、一見単調なところばかりが目立ちます。手拍子のリズムなど特徴的な部分は確かにありますが、こんなにシンプルなのに曲が成り立っているというのも、不思議なものですよね。
ちなみに bad liar は「嘘が下手な人」のこと。ひたすら「あなたのことを考えないようにしている」と言い張っていますが、言いすぎて嘘が見え見え!嘘つけない性格を歌っているから、音楽もこんなに混じり気のない純粋な作りなのですね。
Love Yourself | Justin Bieber
『ラヴ・ユアセルフ』ジャスティン・ビーバー
リリース:2015年
収録アルバム:Purpose
楽器のことで言えば、この曲こそシンプルの極み。伴奏のギターに注目すると、空白がたくさんあることがよくわかります。曲を構成しているのは、最低限の音と休符。間奏のスモーキーなトランペットも、かすれた音だからこそ、他の音とも空白とも混ざり合うのです。
曲を作成したのはエド・シーラン。自己中心的な彼女にうんざりして、「僕の元を去って、せいぜい自分で自分を愛でろよ」と歌っています。結局、彼女が好きなのは、彼ではなく自分。かつては彼女を本気で愛していたのだろうと思うと、虚しさに心が痛みます。
MVでは、日常とダンスが一体となった、境界線のない自然な動きに釘付けになります。一方通行な関係が巧みに表現されていますね。二人のダンサーは実際のご夫婦。お二人の動画を他にも見たことがありますが、まさに誰にも真似できないパフォーマンスです。
まとめ:ミニマルな音楽にこそこだわりがある!

ミニマルでオシャレな洋楽、いかがでしたか?
私がミニマルな音楽についてベラベラと喋りすぎたせいで、記事自体はまったくミニマルになりませんでした。それだけ名曲揃いということですね。シンプルな音楽の中には強いこだわりが見えて、それが人の心を掴むのだと感じました。
それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました:)
コメント